変数

基本

代入文を書くと変数が作成され,その変数に値がセットされる.型は自動的に推定されるので,変数作成時に型を明示しなくてもよい(Python 3.5以降では型ヒントを使って変数の型を明示することが可能).

x = 3

このように作成された変数は,Pythonのインタプリタが終了するまで保持される.変数の値を確認するには,その変数を評価させればよい.

x
3

変数の型はtype関数で確認できる.整数はint型で表現される.

type(x)
int

\(x \leftarrow x + 1\)といった変数の値の更新にも,代入演算子=が使える.

x = x + 1
x
4

上の更新処理は次のように書くこともできる(+=演算子はC言語にもあるが,C言語の++演算子に相当するものはない).

x += 1
x
5

同様に,-=, *=, /=という演算子が用意されている.なお,以下のコードでは変数の値の更新と,更新後の変数の評価(表示)を一つのセルで行っている.

x -= 2
x
3
x *= 2
x
6
x /= 3
x
2.0

浮動小数点型の変数を作成するには,値を小数点付きで表現すればよい.

x = 1.5
x
1.5

浮動少数点数はfloat型で表現される.

type(x)
float

浮動小数点型から整数型に変換するには,int関数を用いる.以下の例ではxの値が切り捨てられる.

int(x)
1

整数型から浮動小数点型に変換するには,float関数を用いる.

float(2)
2.0

変数(オブジェクト)の削除はdel文で行う.ただ,Pythonでは使わなくなったメモリ領域は自動的に開放される(ガーベージコレクション)ため,明示的にdel文で変数を削除することは稀である.

del x

変数xを削除すると,評価できなくなる.

x
---------------------------------------------------------------------------
NameError                                 Traceback (most recent call last)
<ipython-input-16-6fcf9dfbd479> in <module>
----> 1 x

NameError: name 'x' is not defined

変数の再評価

\(x = 1\)として\(y \leftarrow x^2 + 2x + 1\)を計算してみる.

x = 1.
y = x ** 2 + 2 * x + 1
y
4.0

変数xの値を2に変更してからyを評価しても,変数yの値は再計算されない(元の値から変化しない).

x = 2
y
4.0

再計算をするには,変数yの代入文を再度実行する必要がある.

y = x ** 2 + 2 * x + 1
y
9

複数の変数への代入

一行で複数の変数にまとめて値を代入できる(厳密には後で説明するタプル型を介した代入である).

x, y = 3, 1
x
3
y
1

変数の値の入れ替えも簡単に書ける(一時的な変数を使わずに書ける).

x, y = y, x
x
1
y
3